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【本の紹介】【社内研修】【読本】【人は聞き方が9割】

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  【スキルアップ】『人は聞き方が9割』に学ぶ、利用者様との信頼を深めるコミュニケーション術 皆さん、日々の業務お疲れ様です。 私たちは毎日、利用者様やそのご家族と密接に関わります。その中で、「もっと気持ちを汲み取れたら」「もっと心を開いてもらえたら」と感じる瞬間はありませんか? 今回は、そんなコミュニケーションのヒントが満載のベストセラー書籍**『人は聞き方が9割』(永松茂久 著)**を、私たちの仕事に活かせる形でご紹介します。 なぜ「話す」より「聞く」が大切なのか? この本の結論は非常にシンプルです。それは**「人は自分のことを分かってくれる人を好きになる」 ということ。そして、相手に「この人は分かってくれる」と感じてもらう最強のスキルが 「聞く力」**だということです。 私たちはつい、「何か良いことを言わなければ」「的確なアドバイスをしなければ」と考えがちです。しかし、特に心に不安や寂しさを抱える方が多い私たちの現場では、正論やアドバイスよりも、ただ**「黙って最後まで、真剣に話を聞いてくれる」**存在が、何よりの安心と信頼につながります。 福祉の現場で今日から使える「聞き方」3つのポイント この本で紹介されている多くのテクニックの中から、特に私たちが日々の業務で意識したい3つのポイントを抜き出しました。 ポイント1:否定しない。とにかく「最後まで」聞く 利用者様の話が、たとえ事実と違っていたり、同じことの繰り返しだったりしても、まずは**「そうなんですね」**と、一旦すべてを受け止めてみましょう。 「でも」「だって」 と話を遮ったり、すぐに訂正したりするのをぐっとこらえて、相手が話したいことをすべて話し終えるまで、私たちはただ耳を傾ける。この「受け止めてもらえた」という安心感が、信頼関係の第一歩になります。 (例) × 「昨日のお風呂は〇〇でしたよ」と訂正する ○ 「そう感じられたのですね。お話、続けてください」と促す ポイント2:「表情」「うなずき」「相づち」で聞く 言葉を発することが難しい利用者様もいらっしゃいます。そんな時こそ、私たちの「聞く姿勢」が重要になります。 優しい表情 で相手の目を見る こくりと うなずく **「はい」「ええ」「なるほど」**と短く相づちを打つ 言葉以上に、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」というメッセージが伝わ...

【本の紹介】【社内研修】【読本】【健康で文化的な最低限度の生活】

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 漫画「健康で文化的な最低限度の生活」は、新人ケースワーカーの 義経えみる が、生活保護の受給者一人ひとりと向き合い、奮闘する姿を描いた物語です。  ヘルパーの皆さんが日々接している「支援を必要とする人々」の生活や背景を、 行政(ケースワーカー)の視点 から深く知ることができます。 ・主な内容とあらすじ  安定を求めて公務員になったばかりの主人公・えみる。彼女が配属されたのは、生活保護の担当部署でした。  えみるは、様々な事情を抱える受給者たち(高齢者、シングルマザー、病気や障害を持つ人など)を担当します。最初は戸惑い、失敗を繰り返しながらも、同僚や先輩に支えられ、受給者の「自立」とは何か、本当にその人のためになる支援とは何かを必死に考え、成長していきます。  物語は、単に制度の解説に留まらず、受給者一人ひとりの尊厳や、支援する側の葛藤、そして社会が抱える貧困問題のリアルを浮き彫りにしています。 ・ヘルパー(福祉関係者)に役立つ3つのポイント  この漫画は、日々の支援に悩んだり、やりがいを見つめ直したい時に、きっと多くのヒントを与えてくれます。 1. 利用者理解が深まる「リアルな背景」  ヘルパーとして関わる利用者さんの多くは、何らかの公的支援を受けている場合があります。この漫画を読むと、彼らが生活保護を受けるに至った 多様な経緯(病気、失業、家庭環境など) や、制度を利用する上での 葛藤やプライド を知ることができます。 利用者さんの言葉の裏にある「本当の気持ち」や、なぜこの人はこういう行動をとるのか、といった背景を想像する手助けとなり、より深いレベルでのコミュニケーションやケアにつながります。 2. 「寄り添う支援」のヒントが見つかる  主人公のえみるは、マニュアル通りの対応ではなく、一人ひとりの状況に合わせて何が最善かを悩み抜きます。 どうすれば本人の「やる気」を引き出せるか? どこまで介入し、どこから見守るべきか? 「助けたい」という気持ちが、おせっかいになっていないか?  こうした支援者側の葛藤は、ヘルパーの皆さんが日々感じていることと重なる部分も多いはずです。えみるの奮闘する姿から、改めて「その人らしい生活」を支えるためのヒントや勇気をもらえます。 3. 多職種連携の重要性がわかる  ケースワーカーは、医師や病院、地域の支援団体、そしてヘルパー...

【本の紹介】【社内研修】【読本】【健康で文化的な最低限度の生活】

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「何度言っても、同じことを間違えてしまう…」 「どうして、こんな簡単なことができないんだろう?」 日々の支援の現場で、利用者さんに対してこのように感じたことはありませんか? 漫画「ケーキを切れない非行少年たち」は、非行に走る少年たちの背景には、単なる性格や家庭環境の問題だけでなく、**「認知機能の弱さ」**という見過ごされがちな困難が隠されていることを教えてくれます。これは、私たちが支援する高齢者や障がいを持つ方々を理解する上でも、非常に大切な視点を与えてくれます。 この漫画のポイント:「ケーキが切れない」が意味するもの この漫画の象徴的な場面が、タイトルの通り「丸いケーキを三等分にできない」少年たちの姿です。 これは単に「不器用」なのではなく、 物事を全体的に見て把握する力(見る力) 見えない線をイメージして分割する力(想像する力) 体を思い通りに動かす力(協調運動) といった、認知機能に課題があることを示しています。彼らは「わざとやらない」のではなく、「やりたくてもできない」のです。 少年たちが抱える困難の具体例 漫画に登場する少年たちは、以下のような様々な困難を抱えています。 人の表情や話の意図が読み取れない ため、空気が読めない行動をとってしまう。 物事の段取りを立てるのが苦手 で、何から手をつけていいか分からなくなる。 感情のコントロールが苦手 で、カッとなりやすい。 文字を読み書きするのが極端に苦手 で、簡単な書類が書けない。 自分の行動がどんな結果につながるか想像できない ため、安易に犯罪に手を染めてしまう。 これらの困難が、周囲からの誤解や叱責につながり、自己肯定感を失わせ、孤立を深めていく悪循環が描かれています。 ヘルパーさんの仕事にどう活かすか?視点の転換と支援のヒント この漫画が教えてくれるのは、「困った人」を**「困っている人」**として捉え直す視点です。私たちが日々接する利用者さんも、認知機能の低下などにより、同じような困難を抱えているかもしれません。 支援のヒント1:見てわかるように伝える 口頭での説明が分かりにくい方には、 絵や写真、実物 を見せながら伝える。「あれ取って」ではなく、指をさして「あのテーブルの上の、青いコップを取ってください」と具体的に伝えます。 支援のヒント2:手順を分解し、短く伝える 一度にたくさんの指示を出すと...

【本の紹介】【社内研修】【読本】【日々コウジ中】

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  『日々コウジ中』って、どんな漫画? この作品は、作者の竹内尾準(たけうちおじゅん)先生が、ダウン症のある奥様との結婚生活を愛情たっぷりに描いた、 実話に基づくコミックエッセイ です。 「障がいのある方との暮らし」と聞くと、少し身構えてしまうかもしれません。ですが、この漫画は「大変さ」や「可哀想」といった物語では全くありません。 描かれているのは、お互いを深く想い合い、時にはクスッと笑える失敗をしながら、毎日を大切に暮らす 一組の夫婦の、温かくて愛おしい日常の記録 です。 皆さんに読んでほしい「3つの理由」 この漫画は、私たちが日々のケアで大切にしている視点を、改めて思い出させてくれます。 1. 「支援の向こう側」にある、一人の生活者としての姿 私たちは仕事として「支援」を行いますが、支援の時間の前後に、利用者さんの「暮らし」は続いています。この漫画を読むと、ケアの対象としてだけではない、一人の人間としての奥様のチャーミングな個性や、日々の喜び、考え方、そして「妻」としての姿が生き生きと伝わってきます。利用者さん一人ひとりが持つ、豊かな人生の物語に、より深く寄り添うきっかけになります。 2. 「できないこと」より「素敵なところ」。ポジティブな関わり方のヒント 作者である夫は、奥様の苦手な部分を「問題」として捉えるのではなく、彼女が持つ素敵なところ、面白いところをたくさん見つけ、そのすべてを愛おしんでいます。この「強み(ストレングス)に着目する」という視点は、私たちが利用者さんの「できること」や「その人らしさ」を尊重し、自己肯定感を高める支援を行う上で、大きなヒントになります。 3. 「ご家族の気持ち」に、そっと寄り添える この物語は、障がいのある方を支える「家族(パートナー)」の視点で描かれています。日々、どんなことに喜びを感じ、時にはどんなことで悩み、そしてパートナーとどう向き合っているのか。そのリアルな心の動きを知ることは、私たちがご家族とコミュニケーションを取り、信頼関係を築く上で、きっと大きな助けになるはずです。 まとめ 『日々コウジ中』は、読んだ後に心がじんわりと温かくなり、「人のことを、もっと好きになれる」そんな素敵な作品です。 日々のケアで少し疲れた時、自分の仕事のやりがいを再確認したい時、ぜひ手に取ってみてください。 事務所の本棚に置いてあ...

【本の紹介】【社内研修】【読本】【ちいさいひと】

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  『ちいさいひと』って、どんな漫画? この物語の舞台は、 「児童相談所」 。新人職員である主人公が、 虐待やネグレクト、貧困 など、様々な困難な状況に置かれた子どもたちを救うために、必死に奔走する姿を描いた作品です。 扱っているテーマは重く、胸が痛む場面も少なくありません。しかし、それ以上に、子どもの命と未来を守ろうとする主人公の熱い情熱と、社会が抱える問題の現実に真正面から向き合った、すべての「支援者」にとって必読の物語です。 福祉スタッフの仕事に繋がる「3つの視点」 「私たちの仕事は主に高齢者や障がいのある方の支援だから、児童相談所の話は直接関係ないかも…」と感じる方もいるかもしれません。しかし、この漫画は、私たちの視野を広げ、日々のケアに新たな深みを与えてくれます。 1. 「虐待は特別な事件じゃない」―日常に潜むサインに気づく目 この漫画を読むと、虐待やネグレクトが、決して遠い世界の事件ではなく、社会のすぐ隣にある問題だと痛感させられます。そして、その 最初のサイン に気づけるのは、地域や家庭を日常的に訪問する私たちのような存在なのかもしれません。利用者さんのご家庭で会うお孫さんの様子、聞こえてくる会話の断片など、日々の業務の中に潜む「あれ?」という違和感を見過ごさないためのアンテナを高くしてくれます。 2. 「なぜ、この家族は困難を抱えたのか」―支援の連鎖を考える 物語に登場する困難を抱えた親たちも、元をたどれば自身が「ちいさいひと」だった頃に適切な支援を受けられなかった、というケースが多く描かれます。貧困や孤立、心の病が世代を超えて連鎖する現実。これは、私たちが今支援している利用者さんが、なぜ現在の状況に至ったのか、その背景にある家族の歴史や物語を想像する手助けになります。ケアの視点が、点から線、そして面へと広がります。 3. 「救いたい」という情熱と葛藤―支援者としての自分を見つめる 「助けたいのに、制度の壁にはね返される」「もっとできることがあるはずなのに、無力感に苛まれる」。そんな主人公の葛藤は、私たちヘルパーが現場で感じるもどかしさや使命感と重なります。この仕事のやりがいと同時に、一人で抱え込まず、チームや多職種で連携することの重要性を改めて教えてくれます。 まとめ 『ちいさいひと』は、決して楽しいだけの漫画ではありません。しかし、地域社...

【本の紹介】【社内研修】【読本】【子供を殺してくださいという親たち】

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  訪問先で感じる「何か」の正体は? 漫画『子供を殺してくださいという親たち』から学ぶ、支援の現場で大切なこと 皆さん、いつもお疲れ様です。 私たちは日々、利用者様のお宅に訪問し、ケアを提供しています。その中で、ご本人やご家族との会話や、お宅の様子から「何か、言葉にならないサイン」を感じ取ることがあるかもしれません。 今回は、そうした「見えないSOS」について考えるきっかけとなる一冊の漫画をご紹介します。 衝撃的なタイトルの裏にある、家族の悲痛な叫び その漫画は**『子供を殺してくださいという親たち』**(原作:押川剛、漫画:鈴木マサカズ)です。 少しショッキングなタイトルですが、これは決して過激な内容の漫画ではありません。 「子供を殺してください」とは、 長期化するひきこもり 家庭内暴力 精神的な問題 などを抱える我が子に対し、八方ふさがりとなり「もう自分たちではどうすることもできない。このままでは、親子共々ダメになってしまう」と追い詰められた親たちが発する、 悲痛なSOSの言葉 です。 この漫画は、そうした親からの依頼を受け、問題を抱える子供(主に成人)を自立支援施設へ移送する「説得・移送のプロ」の実話に基づいています。壮絶な現場の様子を通して、現代社会が抱える家族の孤立や、支援の必要性がリアルに描かれています。 この漫画から、私たちが学べること この物語は、ひきこもり支援という特殊な現場の話に聞こえるかもしれません。しかし、私たちヘルパーの業務にも通じる、大切な視点が数多く含まれています。 1.「見えない問題」に気づく視点 私たちが訪問するご家庭にも、いわゆる「8050問題」(80代の親が50代のひきこもりの子供の生活を支える問題)や、ケアの対象である高齢者の裏で、そのご家族が深刻な悩みを抱えているケースが潜んでいるかもしれません。 「いつも姿を見せないご家族がいる」 「部屋から物音がするけれど、誰も出てこない」 「利用者様が、ご家族について何か言いたそうにしている」 そうした小さな違和感が、実は深刻な問題のサインである可能性を、この漫画は教えてくれます。 2.一人で抱え込まないことの重要性 漫画の主人公は、決して一人で問題を解決しようとはしません。専門知識を持つスタッフとチームを組み、警察や行政とも連携して、困難なケースに立ち向かいます。 これは...