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『ちいさいひと』って、どんな漫画?
この物語の舞台は、「児童相談所」。新人職員である主人公が、虐待やネグレクト、貧困など、様々な困難な状況に置かれた子どもたちを救うために、必死に奔走する姿を描いた作品です。扱っているテーマは重く、胸が痛む場面も少なくありません。しかし、それ以上に、子どもの命と未来を守ろうとする主人公の熱い情熱と、社会が抱える問題の現実に真正面から向き合った、すべての「支援者」にとって必読の物語です。
福祉スタッフの仕事に繋がる「3つの視点」
「私たちの仕事は主に高齢者や障がいのある方の支援だから、児童相談所の話は直接関係ないかも…」と感じる方もいるかもしれません。しかし、この漫画は、私たちの視野を広げ、日々のケアに新たな深みを与えてくれます。
1. 「虐待は特別な事件じゃない」―日常に潜むサインに気づく目
この漫画を読むと、虐待やネグレクトが、決して遠い世界の事件ではなく、社会のすぐ隣にある問題だと痛感させられます。そして、その最初のサインに気づけるのは、地域や家庭を日常的に訪問する私たちのような存在なのかもしれません。利用者さんのご家庭で会うお孫さんの様子、聞こえてくる会話の断片など、日々の業務の中に潜む「あれ?」という違和感を見過ごさないためのアンテナを高くしてくれます。
2. 「なぜ、この家族は困難を抱えたのか」―支援の連鎖を考える
物語に登場する困難を抱えた親たちも、元をたどれば自身が「ちいさいひと」だった頃に適切な支援を受けられなかった、というケースが多く描かれます。貧困や孤立、心の病が世代を超えて連鎖する現実。これは、私たちが今支援している利用者さんが、なぜ現在の状況に至ったのか、その背景にある家族の歴史や物語を想像する手助けになります。ケアの視点が、点から線、そして面へと広がります。
3. 「救いたい」という情熱と葛藤―支援者としての自分を見つめる
「助けたいのに、制度の壁にはね返される」「もっとできることがあるはずなのに、無力感に苛まれる」。そんな主人公の葛藤は、私たちヘルパーが現場で感じるもどかしさや使命感と重なります。この仕事のやりがいと同時に、一人で抱え込まず、チームや多職種で連携することの重要性を改めて教えてくれます。
まとめ
『ちいさいひと』は、決して楽しいだけの漫画ではありません。しかし、地域社会を支える専門職として、私たちが何に目を向け、何を考え、どう行動すべきか、その重い問いを投げかけてくれる、非常に価値のある作品です。
事務所の本棚に置いてあります。 少し心に余裕がある時に、ぜひ一度手に取ってみてください。きっと、あなたの心に深く残る物語になるはずです。
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