【安全・衛生】ヒヤリハットの記入方法と最近の事例共有(4月~11月末分)
スタッフの皆様 日々の業務、本当にお疲れ様です。
本日は、安全管理の強化に向けた**「ヒヤリハット(ひやりとした、はっとした事例)」の報告方法と、実際に現場で起きた最新の事例**を共有します。
小さな「ヒヤリ」を共有することは、大きな事故を防ぐための最も重要な活動です。 「これくらい大丈夫かな」と思わず、些細なことでも記録に残すようご協力をお願いします。
■ヒヤリハットの記入方法について
手順はとてもシンプルです。
【記入ステップ】
① **『近況報告』**タブを選んで、
② 下にスクロールして
③ **『備考(ひやりはっと等)』**に内容を記載
※日々の記録のついでに入力できる欄ですので、漏れなく記載をお願いします。
■最近のヒヤリハット事例集
実際に現場で報告された事例をまとめました。 「自分ならどう対応するか?」をイメージしながらご一読ください。
(1)交差点での転倒リスク
交差点手前の点字タイル上でバランスを崩される場面がありました。路面の凹凸は転倒の大きな要因となります。段差や変化のある場所では、すぐに支えられる位置を保ちましょう。
(2)鍵ボックスの閉め忘れ
訪問時、屋外の鍵ボックスが開いたままの状態になっていました。 防犯上のリスクがあるため、関係者間で施錠の徹底をしましょう。
(3)外出時のふらつきと転倒予防
外出開始時からふらつきが見られたため、通常以上にしっかりと腕を支えて介助。トイレ休憩後も様子を観察し、疲労が見える際は早歩きを避け、ペース配分に配慮。 体調変化に合わせ、安全第一で帰宅を促す判断を行った。
(4)階段での転倒リスク
階段の昇降中にふらつきが見られましたが、即座に体を支えることで転倒を防ぎました。足元の不安定な場所では、必ず利用者の重心を意識し、手すりの利用や密着した介助を行います。 バランスを崩した際にすぐ対応できる位置取りを徹底しましょう。
(5)雨天時のスリップリスク
雨天の移動中、濡れた側溝の蓋に足を滑らせるヒヤリハットがありました。 雨の日はマンホールや鉄製の蓋、点字ブロックなどが非常に滑りやすくなります。 滑りやすい箇所を避けて誘導し、足元の注意喚起を行いましょう。
(6)歩行時の転倒リスク
駐車場から自宅までの移動中、杖歩行で複数回バランスを崩しそうになりました。 「おっと」と声が出るほど不安定な場面があり、常に側で支えられる態勢が必要です。 杖の状態や歩行ペースを確認し、安全確保に努めましょう。
(7)外出時の所持品紛失トラブル
外出先でスマホが見当たらないと一時パニックになりましたが、会計台に忘れていたことが判明しました。 黒い台に黒いスマホを置いたため同化して見落としたことが原因です。 慣れない持ち物がある際は、ヘルパーも一緒に所持確認を行うよう心がけましょう。
(8)衣類の着崩れによる不快感
歩行中にズボンが下がり、臀部が見えそうになる場面がありました。 ご本人に声かけを行い、都度ズボンを上げて身だしなみを整えるよう促しました。 移動中は衣類の乱れにも気を配り、不快感や羞恥心を与えないよう配慮しましょう。
(9)散髪時の急な立ち上がり
散髪中、頻繁に腕を上げたり急に立ち上がろうとする行動が見られました。 ハサミを使用する場面での急な動きは怪我に繋がる恐れがあります。 理美容師と連携し、動きが激しい場合は中断や声かけで落ち着きを取り戻す対応を行いました。
(10)更衣室出入り口での衝突リスク
更衣室から出る際、入ろうとした他利用者とタイミングが重なり衝突しそうになりました。 死角になりやすい出入り口では、双方に声かけを行って手で制するなど交通整理が必要です。 扉の開閉時は周囲の安全確認を徹底しましょう。
(11)治療後のふらつき
歯科治療後、ふらつきが見られたため、休憩を挟んでから帰宅しました。 治療や通院の疲れから、帰路で体調が変化することは珍しくありません。 直後の移動は慎重に行い、無理せず休息をとる余裕を持ったスケジュールで対応しましょう。
(12)歩行中のつまずき
移動中、会話に夢中になり足元への注意が逸れ、つまずいて転倒しそうになりました。 加齢により足が上がりにくくなっている自覚もご本人にありました。 歩行中は会話を楽しみつつも、ヘルパーが足元の障害物や段差を先読みして伝えましょう。
(13)激しい動きによる接触・転落
通院等の移動中、動きが激しく何度もヘルパーに手が当たる、椅子がない場所に座ろうとするなど危険な場面がありました。 多動や興奮が見られる際は、周囲の環境(椅子の有無など)を常に確認し、転倒事故を防ぎます。 接触による怪我を防ぐため、一定の距離と支えのバランスを調整しましょう。
(14)居眠りによる椅子からの転落リスク
通院の待合中、眠気により姿勢が崩れ、椅子から転げ落ちそうになるのを支えました。 静かに待機されている場合でも、居眠り等で急に力が抜けることがあります。 待合中は常に見守り、姿勢が崩れた際はすぐに介入できるよう側で待機しましょう。
(15)室内の害虫(ハチ)遭遇
室内に大きなアシナガバチが侵入しており、見失う場面がありました。 利用者様が使用するタオル等に止まっていないか慎重に確認し、安全を確保しました。 害虫等の不測の事態では、利用者様を安全な場所に誘導し、スタッフが状況を確認しましょう。
尚、ベランダに巣がありましたが、蜂撃退用のスプレーで撃退し、ダミーの蜂の巣をつけて、今後発生しないようにしました。
(16)施設内でのつまずき
商業施設内で3回ほどつまずきましたが、手を繋いでいたため転倒は防げました。 右足の痛みを訴えており、歩行状態が普段より悪くなっている可能性があります。 痛みの有無を確認し、無理のない歩行ペースや車椅子の利用検討などを行いましょう。
(17)歩行不安定と周囲への接触
歩行時に斜めへのふらつきがあり、両手を広げて周囲に当たりそうになりました。 バランス感覚が低下している際は、他者や物への接触リスクが高まります。 広いスペースを確保して誘導し、周囲への注意を払いながら介助しましょう。
(18)移乗時の手順確認漏れ
ベッドから車椅子へのリフト移乗時、器具のセット(バルーン)を忘れかけましたが、利用者様の指摘で修正しました。 手順の省略や確認漏れは重大な事故に繋がります。 慣れた動作であっても、指差し確認や声出し確認を行い、基本手順を遵守しましょう。
(19)水分補給時の誤嚥リスク
水分補給時にムセがあり、誤嚥のリスクが疑われる場面がありました。 体調や疲労度によって嚥下機能が低下することがあるため、様子を見て中断や休憩を挟みます。 誤嚥性肺炎を防ぐため、無理な摂取は避け、少量ずつ慎重に介助しましょう。
(20)座位姿勢の崩れ・ずり落ち
起床後、眠気が強く痙性(筋肉のつっぱり)もあり、座位姿勢が崩れてずり落ちそうになりました。 車椅子や椅子に座る際は、腰の位置を深く保ち、姿勢を安定させることが重要です。 ポジショニングを調整し、転落防止に努めましょう。
(21)足先が壁に当たる
移乗介助時、足先を壁に引っ掛けそうになるヒヤリハットがありました。移乗時は周りの環境と移乗の際の動線を確保してから行いましょう。
(22)物品の危険な取り扱いと不穏
施設内の椅子を頭上まで持ち上げる危険行為があり、注意したところ不機嫌になられました。 危険行為への制止は必要ですが、その後の興奮状態にも配慮が必要です。 服薬によるコントロールも含め、安全確保とご本人のクールダウンを見守ります。
(23)室内の高温(熱中症リスク)
訪問時、エアコンが切れており室温が30度を超えていました。 ご本人は暑さによる動きの鈍さを感じておられ、熱中症の危険性が高い状態でした。 季節の変わり目や猛暑日は、まず室温管理(エアコン稼働確認)を最優先に行いましょう。
(24)車椅子走行中の車輪接触
車椅子移動中、利用者様がご自身で車輪に触れようとすることがあります。 指挟みや摩擦傷の原因となるため、走行中は手の位置に注意が必要です。 アームレストに手を置いていただくなど、安全な姿勢を促しながら移動しましょう。
(25)外出時の薬持参忘れ
外出出発前の確認時、昼食後の薬が用意されていないことに気づきました。 外出先での服薬漏れは体調管理に直結するため、事前の持ち物チェックが不可欠です。 出発前には薬の有無をチェックし、忘れ物を未然に防ぎましょう。
(26)治療前の不穏・他害リスク
透析クリニックにて、不穏状態となりヘルパーに殴りかかろうとする場面がありました。 人混みや環境変化がストレスとなり、突発的な行動に出ることがあります。 看護師等と連携し、刺激を避けて安全な距離を保ちつつ対応します。
(27)外出先での荷物管理不備
イレ個室の外に貴重品の入ったリュックを置いたままにされ、第三者より指摘を受けました。 盗難や置き引きのリスクが高いため、荷物は必ず個室内に持ち込むかヘルパーが預かります。 ご自身での管理が難しい場合は、事前に預かる取り決めも検討しましょう。
(28)起床介助時の転落・接触
起床介助時、ベッドの端が柔らかく勢いがついて転落しそうになりました。 また、玄関で腕が敷居に当たり軽微な打撲をする事故もありました。 ベッドの特性把握と、移動時の身体幅・距離感の確認をより慎重に行いましょう。
(29)移動・外出時の不穏行動
電車内やイベント会場で、座席を叩いたり大声を出すなどの不穏行動が見られました。 機嫌を損ねて車椅子から落ちそうになるなど、二次的な事故リスクもあります。 予兆が見られた際は早めの気分転換や、刺激の少ない場所への移動を検討しましょう。
(30)自宅段差での転倒リスク
自宅へ上がる際の段差でふらつきがありましたが、後方から支えて転倒を防ぎました。 慣れた自宅の段差であっても、疲労時などは足が上がらずつまずく原因になります。 段差越えの際は必ず近接して見守り、必要に応じて手引きや腰支えを行いましょう。
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